皆さんに残念なお知らせをしなければなりません。

9月9日にスタートが予定されていたイタリアアルプスを330kmにわたり競うトルデジアンへの出場を取りやめることにしました。理由は健康状態を崩したことによるものです。

6月末に何らかのウイルス感染(結局最終的に原因を突き止めることはできませんでした。)をし、40度近い高熱を一週間にわたり発症したことで肝機能や白血球数の減少など体に大きなダメージを負いました。一週間の入院を経て熱は下がりましたが、その後に帯状疱疹(たいじょうほうしん)を発症したこと、さらに継続して肝機能の低下などがあり、これまで療養の日々を送って来ました。
最終的には医師からこの状態から僅か一か月半後に5日間以上におよび不眠不休で走り続けるレースに出場することは、その後の健康状態に大きなダメージを受ける恐れがあるとの判断があったこと。また私自身もこの状態では自分の拘りでもある極限の境地まで自分自身を追い込むことができないとの判断から2018トルデジアンへのチャレンジを断念する決断に至りました。

これまで年明けからこのトルデジアン向けて全力で準備してきたことを思うと、「一体この半年は自分にとって何だったのだろう」と一旦は茫然自失な状態となりましたが、この半年の月日の中で自分の弱点を知りその克服の過程を過ごしてきました。このことは将来につなげることができる財産になるのではないかと今は前向きに考えています。

ただ1月~5月までの基礎づくりのトレーニング期間をうまく経過し、発症前の直前一か月には月間1,000km以上、総累積標高も50,000mまで上げてくることができていただけに残念でなりません。裏を返せば、こういったかつてできていたトレーニングが残念ながら今の自分の体にはもはや耐えられなくなったと考えると正直寂しさを感じています。

繰り返しになりますが残念です。自分に残された時間は少ないのでしょうが、またいつの日にかこの壮大な旅へ再びチャレンジできる日まで、心の中のトルデジアンへの思いの灯は消さずにいようと思っています。

今回、これまでの人生でこれほど激しく体調を崩したことはありませんし、20歳後半のトレイルランを始めて以来、一か月近く走らない期間を経験したこともありませんでした。ただ走れないことで改めて走ることへ執着する心に火がついたような気がします。今回のことはかえって来年のUTMBへの大きな前進と思い前向きに考え突き進みたいと思います。自己の更なる探求と向上心を燃やし続ける日々は心が高揚し充実したものですが、決して楽なものではありません。でもこうしたチャレンジができることに心から感謝しこれからも前を向いてゆきたいです。

皆さん引き続き応援よろしくお願いいたします。