鏑木 先日、50歳になりました。9年前の40歳のときにモンブランのまわりを1周する「UTMB」というレースで3位になったのですが、2012年を最後にしばらくUTMBから遠ざかっていました。ですが、50歳になった来年の夏にもう一回チャレンジしようと決め、今は身体や心を鍛えなおしている段階です。ですから今日は葛西さんにトレーニングのこと、メンタルのことなど、聞きたいことが本当にたくさんあります。

 日本人のみならず、いやむしろ本場ヨーロッパのジャンパーたちが率先して、「レジェンド」と呼ぶ男、それが葛西紀明だ。史上最多8大会の冬季オリンピックに出場し、3つのメダルを獲得。46歳という年齢にしてなお世界のトップレベルで渡り合い、常識を覆す「カミカゼジャンパー」だ。

 一方、トレイルランニングの世界もヨーロッパ勢のレベルが高い。主要なレースのトップ10を欧州の選手がほぼ独占するなか、40歳に近い年齢から世界の舞台に出て、何度も表彰台に登った鏑木毅もまた、その世界では「レジェンド」「神」などと呼ばれてきた。

対談の続きはNumber Web46歳でも進化するカミカゼ葛西紀明。鏑木毅も驚いた100%の「落ちろ!」